お香の春香堂 創業99年信頼の実績 お香の春香堂 創業99年信頼の実績

香木

2002年 薫風自南来

薫風(くんぷう)(みなみ)より来きたる」
薫風自南来くんぷうじなんらい」と読む禅語です。
初夏の温かな陽気の中、心地よい香りの南風が吹いて人も木も草も皆爽やかな気分になるという意味だそうです。

熱海のMOA美術館所蔵の一休宗純禅師の一行は有名ですネ。

さて、ベトナム中部の旧都フエ市の中心を流れる川の名前はHuong「フン」川といいます。Huongはそのままベトナム語で「かおり」を意味します。

川の上流地域は昔から沈香木の採れる地域として有名です。この辺りの沈香の香りには特徴があって少し油っぽい香りが乳臭く先に発つのですぐに判ります。

また、川下りも民族音楽を聴きながらの観光として有名です。
今では、川岸の道路をトラックが段ボールに香木を積載して運んでいますが、この川を千年の昔から、バナナの葉を内貼した竹籠に香木を満載した船が往き来したかと思うと、この川の名前の由来が自ずと理解できるような気がします。

ベトナムの香炉
ベトナムの香炉
ベトナムの香炉
鋳造された文字のアップ

フエ市内の旧宮廷の一角にある香炉には大切な特産品の絵と文字が鋳造されています。沈香と伽羅(琦楠)もあります。

香・薫という文字はそれだけでどちらも良い「かおり」のことをいいます。 意味の違いは火にくゆらすか否かの違いですが、いずれにしても、沈香や伽羅の良い香りが南方のベトナムより日本に渡来し我々を和ませてくれること「薫風自南来くんぷうじなんらい」は正にこのことである、とはちょっと言い過ぎでしょうか?

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